アメリカ合衆国の生物学者で、著書『沈黙の春』で農薬に使用される化学物質の危険性に警鐘を鳴らしたことでも知られるレイチェル・カーソンが1964年4月14日に亡くなり、きょう14日で60年になります。
これはアメリカ合衆国郵便公社(USPS)が1981年5月28日に発行した17セント普通切手で、レイチェル・カーソンが描かれています。USPSは1980年から1985年にかけて普通切手シリーズ『アメリカの偉人』の第一期を発行しており、この切手はその一部です。
レイチェル・カーソンは特にアメリカの少女たちからの人気を誇っており、漫画『ピーナッツ』では1960年代前半、登場人物のルーシーがレイチェル・カーソンの名前が入った野球のバットを誕生日にプレゼントされているほか、カーソンのことについて熱心に話すルーシーに対してシュローダー(いつもベートーヴェンの曲をピアノで弾いているあの少年)が閉口するというシーンが描かれていたりします。もちろん漫画はフィクションですが、当時の世相を今に色濃く伝えていると思います。
しかし、これまでにレイチェル・カーソンが切手になった例はあまりなく、今回ご紹介した切手の他にはパラオで1999年に発行されたくらいではないでしょうか。カーソンの主張内容には今日に至るまで様々な議論がありますが、そのことも影響しているのでしょうか。