10日の国際連合総会にて、現状はオブザーバー扱いであるパレスチナ国に正式加盟の資格があると認める決議が日本を含む賛成多数で承認されました。その投票に先立ってイスラエルのギラッド・エルダン国連大使が演説を行い、この決議案はテロ組織に国家としての権利を与えようとしていると批判。あなた方は国際連合憲章をこうしようとしていると述べ、携帯用のシュレッダーを持ち出して(映像を見る限りでは)国連憲章と書かれた2枚の紙を切り刻み、捨て台詞を残して壇上を後にしました。
Israeli ambassador shreds UN document in angry speech
(CNN、2024/5/10)
https://edition.cnn.com/videos/world/2024/05/10/unga-palestinian-membership-israel-ambassador-shredder-sot-digvid.cnn
その後で行われる採決で決議案が賛成多数で可決されることはイスラエルも百も承知で、せめて決議そのものの話題性を薄めようと考えたのでしょうか、わざわざ事前に小型シュレッダーと表紙を用意しておいて、それをこっそり議場に持ち込んでパフォーマンスを行ったわけで、その段取りを大真面目に相談しているイスラエル外交官の会議があったのかと思うと何とも言えません。まあ、この方は以前にも国連総会の壇上で色々とパフォーマンスをされていたようですが。
これは国際連合郵政が1965年9月20日に発行した国連憲章の切手です。ちなみにこの中には日本を対象とした敵国条項も(日本政府は事実上死文化したという見解とはいえ)含まれています。そういう意味では日本こそ敵国条項とされる第53条、第77条、第107条をシュレッダーで破棄したくもなるわけですが、まあそういうことはしないわけで。