18日午後5時よりテレビ朝日系列にてアニメ『ドラえもん』が放送され、2作目に登場したのが『モノモース』。なぜこの話をここでご紹介するのかと言うと、切手が全面に出てくるからです。
番組表からのあらすじをここに記載しましょう。
切手を探していたのび太がドラえもんに聞くと、知らないと言われた上にお説教される。ところがその切手はドラえもんのおしりの下に落ちていた…。おわびにドラえもんが取り出したのはスプレー型の『モノモース』。物にふきかけると、しゃべれるようになるという。切手にふきかけ話しかけると、切手が答えた!のび太はスネ夫に切手をじまんするが、たいしたことないと言われてしまう。すると切手が声をあらげて…!?
うーん、まさしくドラえもんワールド全開!さっそく見ていきましょう。
のび太が探している切手の上に座ってしまっていたドラえもん、面倒くさいことになりそうだったせいかひみつ道具『モノモース』を自分から差し出します。これを吹きかければしゃべるようになるらしいのですが、なぜ切手を素手で触るのか。そして切手に怪しいスプレーを吹きかけている時点でもう憤激ものなのですが、それにしても一富士二鷹三茄子という実に渋い切手です。
そしてのび太に切手を隠すように言いますが、切手自身が返事をするので位置が丸わかりというわけ。つか切手を丸裸でゴミ箱の近くに置くなよ。そしてドラえもんも素手で触るなよ。
この切手を持ってしずかちゃんの家に行く途中、スネ夫に出会ったのび太。先ほどの切手を見せますが、切手を丸裸でそのまま持って歩くのが信じられません。そしてスネ夫は大したことない切手だとバカにするのですが、そういうスネ夫も素手で切手を触っているので大したことはありません。と思ったのですが、他ならぬ持ち主ののび太が自ら素手で触っている切手なので、スネ夫も特に気を使うことなく素手で触っているのでしょうな。多分、普段はピンセットを使ってると思います。
スネ夫はきちんとストックブックに切手を入れています。そして自分の切手コレクションに『モノモース』を吹きかけられたスネ夫、そう、これが普通の反応です。すると切手としては高いけど大したことないと切手自身に暴露されてしまいます。
次にジャイアンに出会ったのび太、いつものパターンだと珍しい切手をジャイアンに取られたりするのでしょうが、ジャイアンは特に切手を集めてはいないようで、持ち歩いているのはもちろんストックブックではなく野球のバットとグローブ、特に切手に興味を示すことはありませんでした。
無事にしずかちゃんの家に到着したのび太、ようやくここで切手ピンセットが登場しました。まあ小学生なのでまだまだストックブックやらピンセットやらを使いこなすのは道半ば、ということなのかもしれませんが、やはりしずかちゃんはしっかりしてるなあと思わせる場面でした。しずかちゃんの反応からすると本当に珍しい切手のようで、のび太はお金を貯めて買ったと吹聴したのですが、ゴミ箱から拾ったと切手自身に暴露されてしまいました。そんな貴重な切手が捨てられているゴミ箱ってどういうゴミ箱なのよ。
そして重複した切手を交換することで合意した両者、のび太は切手を取りに家に帰るのですが、宿題をしてからだとママに外出を禁じられてしまいます。それでも強行突破を試みるのび太に悲劇が襲いかかり…というのが本編のストーリーでした。
スネ夫もしずかちゃんも、ストックブックをよく見ると、ルーマニアやスイス、デンマーク、キューバといった国の未使用切手が確認できます。もちろん現代っ子なので切手をセロハンやパラフィン紙に包むとかいう前近代的な保存はしません。スネ夫の場合は他人のコレクションに対する敬意というものがないのが難点というか、面倒くさい点です。まあ、それでこそスネ夫、とも言えますが。
それにしても、どいつもこいつもコレクション用の切手を素手で触りおって。切手を手で直に触ると皮脂がついて将来シミができる原因となります。そうなるとコレクション用の切手としては厳しいので、しずかちゃんのように切手用ピンセットを使いましょう。
こんな狭い小学生コミュニティに切手収集やってる子がこんなにいるの? というツッコミはやめておきます。でもこういう切手回は貴重です。個人的に話になりますが、私が世の中に切手収集という趣味があるということを知ったのは漫画・ドラえもんの第9巻(てんとう虫コミックス、小学館刊)に収録されている『王かんコレクション』でした。このアニメを見た全国の良い子が切手収集に少しでも関心を持ってくれれば、と思っています。でも切手は素手で触らないようにね!