1月29日から2月1日まで、インドの南東部に位置するタミル・ナードゥ州にて切手展『TANAPEX 2025』が開催されました。そこでは集団見学に来た学童に対し、切手が配布されたことがX上で紹介されています。
切手を提供したのは、南インド郵趣家協会(SIPA=South India Philatelists’ Association)のシニア収集家です。ちなみに切手展開始から1日半で6,000枚を手渡したとか。
Today #TANAPEX2025. #Chennai
📮About 6000 stamps given free to school children as of now….
These stamps were provided by senior Philatelists of SIPA, M/s Amarchand, Dilip Saboo, Mahesh, Palani, Bhaskar …#philately #stamp pic.twitter.com/lsLHakghir— South India Philatelists’ Association, Chennai (@SIPA_chennai) January 30, 2025
70秒程度の映像から、いくつかシーンを切り出して見ていこうと思います。
1枚1枚、手渡しで切手を渡していきます。
手持ちの切手がなくなったので補充します。
学童向けですが別に大人が受け取ってもいいようです。ですが、大人なので受け取りません。
これ、とてもいい取り組みだと思うのです。ただでさえ郵便を利用する機会が減っている上、そもそも全ての郵便物に切手を使うわけではないので、ますます切手に接する機会が減っている今日このごろ。普段から切手との接点がない人たちに『ほら、切手ってこういうのなんだよ』と実物を渡すというのは興味を持ってもらう第一歩だと思うのですね。
この映像を見て思い出したのが昔の逓信総合博物館での切手イベントです。もう30年くらい前になりますか、来場した小中学生に対して、お年玉切手シートに小型印やら風景印やらを押したシートを1人1枚、手渡しで無料で配布していました。当時私ももらって、今でも持っています。つまり、物理的に手渡すとどこかに残る可能性があるのですね。まあ知らないうちに捨ててしまったというケースもあるでしょうが。
今考えると当時はなかなか積極的にモノを来場した子どもたちに与えていました。会場内でやっていた企画の景品だったか定かではありませんが、小さなストックブックとかももらいました。私はそういうのも今でも持っていて、使っていたりします。
もちろん現代のアプローチとしてYouTubeなどの動画サイトやSNSでの啓蒙も有効とは思いますが、しかし切手収集って物理的なモノを収集するわけですから、やはりどこかで現物に触れさせないとどうにもならないと思うのです。ネット上では視覚とせいぜい聴覚だけですが、実物を渡すとこれに触覚が加わるのですよね。なので今回の『TANAPEX 2025』での試み、非常に興味深く見ました。
しかしこれを日本でも真似すべき、とまでは言いません。そもそも切手イベントに来る子どもの数は少なく、学童の集団見学なんてまあ望めない。要はもうそういう段階はとっくに通り過ぎちゃってるんですね。そういえば一昨年(2023年)の台北国際切手展では学童と思しき集団を見かけたなあ。