3日付の通信文化新報に柘植芳文参院議員のインタビュー記事が複数面にわたって掲載されていました。柘植議員は全国郵便局長会の元会長であり、2013年の参院選で自由民主党より立候補して当選し、現在2期目。総務副大臣、外務副大臣などを歴任され、今年(2025年)夏の任期満了を持って退任される見通しとなっています。
その柘植議員が同紙インタビューに応じ、現在提出が検討されている郵政民営化法改正法案などについて語っておられます。最初のページ部分は以下のアドレスからも読むことが可能です。
柘植芳文参議院議員 悲願の郵政法案の見直しに強い意欲を
(通信文化新報2025年3月3日 第7290号)
https://www.tsushin-bunka.co.jp/backnumber/detail.php?sub_content_id=2888
そこにも書いてあるのですが、切手についても若干言及されています。以下、引用。
各国の郵政事業についての説明を聞いて感じたのは、切手に対する強い思いです。日本でも郵政省時代、切手は非常に大事なものでしたが、民営化されてからは切手に対する思いが希薄になっているのではないでしょうか。
外国では切手を非常に大事にしていて、国の歴史観を表現するような切手を積極的に作成しています。切手のプランナーの人たちの話を聞くと、彼らが非常に強い誇りを持って仕事をしていることが分かります。これは日本も見習う必要があると思います。楽しい切手や面白い切手を作ることも大事ですが、歴史観や郷土愛をにじませた切手をもう少し作ってもいいのではないかと思いました。外国では発行された切手を資料として揃えていて、それを見るとその国の歴史が分かるようになっています。
日本には日本のカラー、発行施策があって、それはそれでいいと思うのですが、もう少し国家に関する切手、例えば人物切手を発行してもバチは当たらんだろうと思ってはいます。自然や動植物に関する切手がずっと発行され続けているのは、絵面として法人向け用途に使いやすいのと、売れ行きが良いからでしょう。前島密の1円切手に対する一部からの拒否反応を見ると、今の日本では人物切手はなかなか発行しにくい状況なのだと思います。イギリスやタイ王国のように、ご皇族の切手を出すわけにはいかない事情もあります。
郷土愛という観点からすれば、ふるさと切手がすっかり廃れてしまったのが個人的には残念です。近年ではもう国土緑化切手と国民スポーツ大会の切手のみとなっています。以前に発行されていた各支社による地方別のふるさと切手を今になってみてみると、各地の特色が深く反映されている良い切手が多かったように思います。しかし、発行件数が多い、地方でのみの販売では買いにくいなどといったネガティブな声が収集家サイドから上がっていたのは事実で、郵政民営化後は各支社ごとによるふるさと切手の発行はなくなってしまいました。
今や日本郵便も民営会社なので売上を第一に考えるのは当然ですし、売れない切手を淘汰していく方向に持っていく姿勢もわかるのですが、昨今の発行傾向を見ていると発行のジャンルが固定化され、マンネリ化しつつあるのではないかという危惧を抱いています。今や日本の人物切手を最も多く発行しているのは切手代理発行エージェントではないでしょうか? それもどうかと思うのですよね。