大阪・関西万博の会場内に設置された2つの郵便局をご紹介しましたが、開幕初日の13日は予想通り記念押印を求めて大勢の人が郵便局に殺到することとなりました。私自身といえば、初日に大阪訪問を果たせない場合も考えて、あらかじめ郵頼して最低限の保険をかけたうえで、当日は郵頼では不可能な押印記念品を作ってきました。つまり両方の局の押印を同一のシートにお願いするわけですね。
まあ、ベタだけどこんな感じでね。
しかし別のシートでは風景印と小型印ではなく、2箇所とも同じ小型印を押印されてしまいました。まああれだけ人が多いので間違いは致し方なく、こちらもポストイットを使って細かに指定するべきだったと反省しています。それだけ大変な状況だったのね、ということを証明するようなモノにはなりました。ちなみに、そのシートには後で別の切手を貼って改めて風景印を押していただいてはいます。
押印作業は午後5時に、営業は午後7時に終了しました。午後9時頃のEAST郵便局はまさに兵どもが夢の跡。
記念押印が一番多いのは初日と、おそらく最終日。翌14日のEAST郵便局は、前日の喧騒が嘘のように静かな営業状況でした。
開幕初日の13日に話を戻すと、この日は朝から現地で某切手商の姿もお見かけしました。数日前にご紹介したこの写真にその方が映り込んでいるのですが、おわかりになりますでしょうか。
それにしても改めて痛感するのが、記念押印品を作るのは非常に難しい行為だということです。
初日は郵便局に大量の人達が並んでいるのを見て、切手に記念の押印をしてもらうという行為自体を全く知らない一般人もこの列は一体何なのかと疑問に思うことになります。おそらく切手が発売されるのだろうと推測して通り過ぎていく人も多いですが、中には最後尾の案内など列整理をしている局員に問い合わせ、そこで何が行われているのか説明を受けることになります。だったら自分も作ろうと思い立ち、列に並びます。
ところが、この後が問題です。何しろ記念押印という概念をさっき知ったばっかりなので、当然のことながら切手もハガキも台紙も何も持っていません。しかも局員から一応の説明を受けてはいるのですが、結局何がそんなに何故珍しいのか理解していないので、自分が何をすればいいのかわからないのです。ひとまず官製はがきでも買ってもらってそれに押印してもらえればいいのですが、なんとはがきが売り切れてしまいました。さて、どうする!?
…というのは私が作った架空の話ではありません、全部、当日の会場で私自身が目撃したことです。
経験したことがある人ならわかると思うのですが、記念押印をしていただくというのは、実はとてつもなく面倒くさい作業と言えます。事前に準備することが多いし、何より最終的な完成形をある程度自分の頭の中でイメージできていないと、何をどうすればいいのかさっぱりわからない。押印できる・できない規定も存在し、勘どころも要求される極めて高度な行為なのです。そういった予備知識も何もない方は、郵便局員に幾度となく何をどうするべきなのかを延々と問い合わせることになります。しかし、局員は有限なので説明には時間がかかり、列は一向に進まず、さらに待ち時間が長くなっていくことになります。
これが当日起こっていたことの一部です。もちろん、門外漢は記念押印などに手を出すべきではない、などと言うつもりは毛頭ありません。むしろ大歓迎も大歓迎なのですが、しかし記念押印という行為を知る場所によっては、せっかく興味を持ってもなんだか大変な思いをするだけであまりいい思い出が残らない…という場合もあるのではないか? と危惧しています。
そして開幕日当日は午前11時前には雨が降り始め午後にはかなり横殴りの雨となりました。WEST郵便局は屋根がある場所にある程度は列を並ばせることができたのですが、EAST郵便局はそういうのが全くありません。結果として大雨の中を大勢の客に待たせるという事態が発生してしまいました。しかし以前にも紹介したように郵便局内は局員の配置が決まっていることもあり、内部にはそれほど人がいないのに外の人を中に入れられないのです。これは誰が悪いかという話ではないのですが、しかし開幕初日からいろいろな方面に試練が襲いかかってしまう形となりました。全く不運として言いようがありません。ひとまず、初日に郵便局に関わったすべての皆様、大変でしたよね。