ローマ教皇フランシスコ台下が崩御

ここ数年、病気がちで入退院を繰り返していたローマ教皇フランシスコ台下が21日に崩御(帰天)されたとローマ教皇庁が発表しました。謹んでお悔やみを申し上げます。

さてローマ教皇が不在の期間は使徒座空位と呼ばれ、教皇の秘書長で枢機卿であるカメルレンゴを長とする使徒座空位期間事務局が設置されます。この事務局は使徒座空位の間のみ使用できる切手や通貨を発行する権限を有しており、これまで何度か使徒座空位切手が発行されているのをご承知の方も多いと思います。

これはバチカン市国が2013年3月1日に発行した使徒座空位切手です。ベネディクトゥス16世が同年2月28日をもって生前退位し、その翌日に発行されました。切手の意匠は教皇の紋章に代わる使徒座空位の紋章で、これは傘と聖ペトロの鍵を組み合わせたものです。3月13日にホルヘ・マリオ・ベルゴリオことフランシスコが後継の教皇に即位したことを受け、3月14日をもって切手は使用不可となりました。こういうところは日本やイギリスとは感覚が異なり、崩御した瞬間に継承順位1位の人物が即位(践祚)するのとは仕組みが違うことを実感します。

使徒座空位切手とは教皇が代替わりして一時的に不在となった時に発行され、かつその時しか使えないものですから、教皇がご健在の時にこの話題を出すのはどうも憚られるといいますか、なかなかタイミングに気を使います。これから後継の教皇が選出されるコンクラーヴェが開催されますが、その間に再び使徒座空位切手が発行されるのでしょう。