チェコ郵政は今年(2025年)4月16日に大阪・関西万博の記念切手を発行しました。
これは同国の万博公式キャラクター、レネ(René)が切手になったものです。ボヘミアガラスの生産地として有名なクリスタル渓谷にて生まれたガラス製の生物で、エキスポナウト(Exponaut、万博飛行士)なんだそうです。見かけは得体のしれない化け…キャラクターとなっており、ミャクミャク様とは複数の目を持つ点などが似ています。それもそのはず、ミャクミャク様の友達という設定でこのキャラクターを作ったのだそうです。しかし、ミャクミャク様は青の胴体部分が一応はヒトの形をしていますが、レネはヒトですらなく、完全に宇宙人仕様です。
レネという名前は同国のガラス作家、レネー・ロゥビチェク(René Roubíček、1922-2018)氏から来ています。前回の1970年大阪万博ではチェコスロバキア館にて『ガラスの雲』を出品し高い評価を得ました。しかし当時は東西冷戦の真っ只中、1968年のプラハの春でチェコスロバキアの民主化機運がソ連によって押しつぶされると翌年にはチェコスロバキア共産党を離れフリーランスの芸術家となる道を選びますが、1970年代にはチェコスロバキア政府より政治的に好ましくない芸術家リストに入れられ、冷戦が終結するまでは国内での展示が困難となるなど活動が制限される憂き目にもあっています。
そんな経歴を持つ芸術家から名前をもらったレネは万博会場では大人気。チェコのパビリオンに常駐しており、記念撮影を求める人の姿が絶えません。改めて切手を見てみると、背景には同国のパビリオンも描かれています。この外観にもボヘミアガラスが使われています。
そしてもう1シート発行されています。同国出身の画家アルフォンス・ムハ(ミュシャ)による4枚組の絵画『四季』(堺市が所蔵)が切手になっています。ミュシャは日本でも人気ですし、この選定はいいですね。
【ミャクミャクの友達誕生】黄緑の体に複数の目 「ガラス製の生き物」チェコ出身「レネ」 レネの姿がネットでさっそく話題に…
(関西テレビ、2024/5/16)
https://www.ktv.jp/news/feature/240516-myakumyakurene/
【万博60秒解説】この「ゆるキャラ」がすごい
(経済産業省、2025/3/26)
https://journal.meti.go.jp/p/38522/