400億円減収見込みの会社を支えるという一部の収集家

19日に日本郵政の株主総会が行われ、翌20日には株主通信等が送られてきました。ネット上で一般にも公開されているものではありますが、中をパラパラとめくってみると、

2020年3月期の日本郵便は、残念ながら減益となる見込みであると書かれています。具体的には2019年3月期に営業利益1820億円だったのが来年予想は1400億円。約400億円の減益です。郵便物の数や設備投資、人件費など、色々な要因が重なっての結果なので、一概に良い、悪いとは言えませんが、とにかくここでは100億円単位で話が進んでいきます。

ところで、郵便局には時折、面白い人がいらっしゃいます。「郵便局の経営を支えているのは切手を買っているワシら収集家じゃあ!」と大声でのたまい、郵便局員に無理難題を押し付ける、どちらかと言うと年齢層の高い方々です。しかし先程見たように日本郵便の経営状況を語るなら少なくとも100億円単位の話をしないと意味がありません。

果たして、郵便局経営を支えているのだと自称するシューシューカのご老人がたは、具体的にどのくらいの売上でもって日本郵便に貢献されているのでしょう。ひょっとしたらお一人で1年間に郵便局で1億円くらいは切手を買っているのかもしれません。その場合、1年間に日本切手は600種類くらい出ているので、1種につき16~17万円分くらい買っていることになります。

先般、金融庁の市場ワーキング・グループがまとめた年金に関する報告書の中で、一つのケースとして老後に2000万円が必要であるとする例を紹介し、これを勘違い・曲解して大騒ぎになるという大変残念な光景が広がりましたが、こうした年間切手1億円老人なら悠々自適、何の問題もない生活を送られていることでしょう。それでも郵便局で怒号を上げるような老害にはなりたくありませんが。