香港カーブを試みる中国政府

香港では身柄を拘束された容疑者の中国本土への移送が可能となる、いわゆる『逃亡犯条例』改正案をめぐって、ロクな裁判が行われていない中国本土に送られるなど真っ平御免!というわけで大規模な反対運動が発生しています。ひとまずの改正作業は止まったようですが反対派は完全撤回を求めているほか、公安当局による住民への武力行使に対する謝罪、林鄭月娥行政長官の退陣要求も起こっています。

一応は中国の一部とはいえ、2047年までは一国二制度を実施するという約束なわけで、将来的には完全に中国本土と一体化するということになるのでしょうが(中国共産党というのはそういう党です)、現状が急激に変化するように見えたら、そりゃ住民は戸惑うでしょうよと。そのむかし、香港に啓徳空港というのがありまして、ここは着陸直前に右に急旋回させるという、いわゆる『香港カーブ』で有名でしたが、今は中国共産党政府が香港を、中国本土に無理やり着陸をさせよういう、香港カーブばりの強引な着陸を試みているようにも見えます。

その啓徳空港も1998年に閉港し、ビル群の上スレスレを飛行機が飛び交う光景もなくなりました。画像は1998年、香港から発行された啓徳空港閉港の切手です。