JPS池原新体制に願うたった一つのこと

27日に『郵趣』8月号が届けられました。その中では新しく日本郵趣協会(JPS)理事長となられました池原郁夫氏の挨拶が巻頭に掲載されておりました。この挨拶だけならインターネット上から読めます

さて、一介のJPS正会員といたしましてはあれこれ申し上げることはないのですが、僭越ながらたった一つだけ、新体制に希望したいことがあります。

それは、ぜひ夢を語っていただきたい、ということです。

思えば最近の『郵趣』巻頭に掲載されていた前理事長の巻頭言、まあ今更お名前を明記することはいたしませんが、なんとも郵趣の未来に悲観的な傾向がありました。せっかく会員数増加を目指しているというのに、やっとの思いで正会員になっていただいた方にあんな後ろ向きな巻頭言が掲載されている雑誌を毎月送りつけるなど、タチの悪いブラックジョークとしか思えないものでした。少なくとも郵趣を前向きに楽しんでいる方にとってみれば苦痛な文章であったはずで、結局の所どこまで読まれていたのかは疑問です。だからWEB会員の設置はいいアイディアだったと思うのです。あれは『郵趣』が送られてきませんから。

懐古主義にまみれることが全て悪とは申しませんが、しかし前理事長は結局のところ、かつてのグリコ切手ブームにあまりにとらわれすぎ、あのブームよもう一度!という発想から最後まで抜けきれなかったのではないかと、一介の会員としては思います。とても残念なことです。だって理事長がそんなところを目指すと言われたところで、そんなブーム知らないですもん、私。既にグリコ切手ブームが下火になっていた大阪万博の頃は私、まだ生まれておりません。今なお語り継がれている沖縄切手投機の騒動すら知らないのですよ。過去の歴史を勉強することはとても大事ですが、老人の懐古主義につきあわされるほど退屈なものはありません。それより将来の話をしようぜ?

前理事長が郵趣家として高名であることは今さら解説が必要なことではありません。ごく最近に限っても、毎年発行されている『JPS外国切手カタログ・新中国切手』の編集に関わっておられますし、先日は『改訂版 旧中国切手カタログ1878-1949』を編纂されました。こういった書物が日本語で読めることがどれだけ日本人の郵趣家にとって有益であることか、改めて言うまでもありません。

しかしながら、理事長としてもっと将来の話をしていただきたかったのです。空元気でもいいからもう少し郵趣界を盛り上げるような言動をされればなお素晴らしかったのに、と残念でなりません。日本の郵趣の将来に明るい道筋をつけるという使命を果たすことに、前理事長は無残にも失敗したのです。前月号の巻頭言を読むだけでもそれは明らかです。今後は会長に退かれ、JPS75周年記念事業に関わることになるとのことです。過去の歴史を振り返るばかりの事業にならないことを願うばかりです。

JPS新体制には私と同年代の理事も新たに加わっており、個人的には本当に期待しております。私はネットの片隅で好き勝手なことをつぶやいているだけですが、ぜひとも日本最大の郵趣組織として、明るい前向きな姿勢を見せていただきたいと願っています。雰囲気が暗いところに人は集まりません。能天気も困りものですが、人を引きつけるパワーのない組織に未来はない、そう思っています。