あの頃のジンバブエ

アフリカのジンバブエで11月15日に国軍が政変を企図し国家権限を掌握、37年にわたって同国を統治しているロバート・ムガベ大統領が自宅軟禁下に置かれていると報じられています。今日は手持ちの切手からジンバブエで発行された花の切手をご紹介します。

「おお、ジンバブエ・ドルの切手なのに額面が15~45セントなのか!」と思われた方、なかなかの観察力です。そう、これはジンバブエ・ドルがまだハイパーインフレを起こしていない時代の切手なのです。とはいえこの時期、既に公式発表で年間インフレ率は10%を超えていましたが…。1989年4月12日発行。

ジンバブエ・ドルは21世紀を迎えた頃に年間インフレ率が100%を超え、紙切れへとまっしぐら。やがて切手の額面が追いつかなくなってしまい、切手の用途別のアルファベットが額面の代わりに印刷されるようになった…というのは、内藤陽介先生の『事情のある国の切手ほど面白い』(メディアファクトリー新書)をご愛読の皆様ならよくご存知のこと思います。この切手は、まだまだジンバブエ・ドルが通貨として使えていた時代の切手なのです。