万国郵便連合(UPU)はパレスチナ国の加盟申請を却下しました。
UPU issues statement on membership application from State of Palestine
http://news.upu.int/no_cache/nd/upu-issues-statement-on-membership-application-from-state-of-palestine/
国連非加盟国がUPUに加盟するには加盟国全体の3分の2以上の賛成が必要。というかUPUって国連機関のひとつなのに、国連に加盟していない国でも加盟しようと思ったら可能なんですね。UPUが国連より歴史が古いということも関係しているのでしょうか。
それで、パレスチナ国が加盟申請を行ったのが2019年2月12日。そして郵便投票にかけられたわけなのですが、結果は以下の通り。
- 賛成:56
- 反対:7
- 棄権:23
- 無効:11
- 投票せず:95
ただし無効票と投票せずは棄権とみなされるそうなので、公式の結果は賛成56、反対7、棄権129となります。全体の3分の2ということは賛成が128カ国必要なので、賛成56カ国にとどまった以上、却下ということになります。なおパレスチナ国は既に1999年よりオブザーバー資格は得ています。
それにしても気になるのが無効票で、何をどうしたら無効票になるのですかね。期限の7月27日に遅れてスイスのベルンにあるUPU事務局に届いたとか、賛成と反対の両方に投票したとか?
加盟したい国あれば、脱退したい国あり。アメリカが中国などからの国際郵便料金が事実上割安に設定されているせいで損害を被っているとして、トランプ大統領がUPUからの脱退を表明してもうすぐ1年になりますが、UPUは来週24日より26日まで臨時会議を開催し、解決策を話し合うようです。
Frequently Asked Questions: Third Extraordinary Congress
http://news.upu.int/no_cache/nd/frequently-asked-questions-third-extraordinary-congress/
トランプ大統領は先日も国際貿易機関(WTO)において中国などが途上国優遇を受けているのはおかしく、是正されなければ3カ月以内に一方的に優遇をやめる!と言っているので、おそらく対UPUでも譲らないでしょう。このままでは2020年1月1日にアメリカはUPUを脱退するということになりそうで、ひょっとしたらイギリスのEU脱退より先になるかもしれません。