アラブ土侯国切手の時代から、セールスを期待する切手の意匠に最も採用されることの多い日本人は恐らく昭和天皇です。そして崩御なされてからもその傾向は変わりません。これは2009年11月30日付でモザンビーク名義で発行された昭和天皇崩御20年の切手です。
何の事はない、よくある切手代理発行エージェントによるジャポニカ切手と言えますが、よく見るととんでもない間違いがあることがわかります。切手の右半分、横並びに並んでいる3人は左から香淳皇后、昭和天皇、そして英国女王のエリザベス2世です。その上に名前が書いてありますが『ナカノ』(Nakano)という謎の日本人名があります。これはおそらく香淳皇后の生前の名前であった『ナガコ』(良子)の間違いであると思われます。切手代理発行エージェントによる切手の正確性なんぞその程度さ、という認識は大いにあると思われますが、さすがに皇族の名前を間違えるのは勘弁してほしいものです。