李文亮医師追悼切手

未だ終わりの見えない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行ですが、このウイルス禍が終わっても、決して忘れてはいけない人がいます。中国の眼科医で、新型コロナウイルスによる肺炎を内部告発しようとしたうちの一人であり、COVID-19の犠牲となった李文亮医師です。その李文亮医師を追悼する切手が今年(2020年)2月27日付で、ジブチ名義で発行されています。

この小型シートが痛快なのは、余白部分に中国本土から四方八方に矢印が描かれ、このウイルスが中国起源であることを明確に示している点です。自国が発行する予定だったCOVID-19の切手を延期してでもデザインを変えようとするくらい、中国起源であることを隠したい中国政府にとってはまさに嫌なデザインでしょう。

4種の単片切手には、李文亮医師のほかにも、あのクルーズ船、ダイヤモンド・プリンセス号も描かれています。中国国外でアウトブレイクが発生した初の事例というのがその理由です。なお切手中の説明文には日本という単語は一切書かれていません。まあ当然のことではあります。

当初はこの新型コロナウイルス発見の情報をデマ呼ばわりされた李文亮医師ですが、自らも感染してしまい2月7日に死去。その後、中国当局は李文亮医師の遺族に謝罪し彼を表彰、また世界保健機関(WHO)も追悼コメントを発表してはいますが、しかし志半ばで倒れたことは無念だったでしょう。彼は人類を救おうとした英雄であったと私は思います。