前回記事では日本のロータリー切手について取り上げましたが、実は世界中でロータリーの切手が発行されています。それを熱心に集めておられる方もいらっしゃいます。ロータリーは人気収集テーマの一つと言えます。ロータリー切手収集国際親睦グループ(International Fellowship of Rotary on Stamps)という団体もあるそうです。
ロータリー切手が非常にわかりやすいのは、大抵は切手にロータリーのマークが入っているからです。そこであのマークが入っている切手を片っ端から集めているという収集家もおられると思います。しかし中には「この切手、ロータリーのマークこそ入ってはいるけどロータリーとは何の関係もない切手だなぁ」と思うような代物があるかもしれません。例えばこういうものです。
犬の切手にロータリーのマークがついているだけの切手。こういうのも律儀に集めているロータリー切手収集家もおられるかもしれませんが、入手された切手は必ず切手カタログにて詳細を確認されることを強くお勧めいたします。なぜなら中には実際には郵政当局が発行したわけではないニセモノの違法切手(illegal stamps)があるからです。ロータリーのマークを付けておけば収集家が買うだろうということで、こういう切手をでっち上げる不届き者が世界にはいます。これはロータリーに限ったことではなく、人気のあるジャンルには必ずこういうニセモノが登場します。
実は先の切手もニセモノで、キルギスと国名が書かれてはいますが同国は実際にはこんな切手を発行してはいません。なぜなら世界中の切手が再録されている切手カタログにこの切手が載っていないからです。載っていないということはニセモノである可能性が非常に高くなります。これは先日、東京都内で開催された切手即売会にてまとめて購入した切手の中に混ざっていたものです。私はわかっていて買ったのでまだいいのですが(いや、よくはないのですが)、本物だと思ってニセモノだった場合のショックは計り知れません。自身の切手コレクションにこうした違法切手が混ざっていると大変みっともないので、必ず切手カタログでチェックしましょう。