目打が消えた切手

これは1970年5月にイエメン・アラブ共和国(以下、北イエメン)より発行されたCEPT切手(現在のヨーロッパ切手)を題材にした切手です。CEPT切手そのものではありません…北イエメンは中東ですからね。小型シートには余白部分含めて過去に発行されたCEPT切手が描かれているのですが、切手部分に描かれた切手がまた興味深い。

切手部分に描かれているのは1956年にルクセンブルクより発行されたCEPT切手(これが初のCEPT切手でした)なのですが、なぜか無目打です。本当ならば目打があるはずなのですが…こういうのは元ネタ切手を可能な限り再現するものだと思っていたのですが、あるいは無目打版があるのかもしれません。少なくともスコットカタログにはそのような存在は記されていませんが。

そしてこの切手は2、3、4フラン切手の3枚セットなのですが、その中で未使用切手のカタログ価格が最も低いのがこの4フラン切手。2017年版のスコットカタログでそれぞれ42.5ドル、27.5ドル、3ドルです。これが使用済になると0.5ドル、45ドル、4.5ドルとなり、一番安くはないですが、描かれた4フランは未使用より使用済のほうが高いことがわかります。いずれにせよ、入手しやすいが故に意匠に採用されたということなのでしょうか。