イランの切手少年

郵趣の世界にとってジュニア層の育成が課題となっているのは世界共通の課題といえましょう。啓蒙するために切手展イベントで子供向けのブースを用意したり、解説書を作ったりと、各国で様々な取り組みが続いています。日本でいえば、スタンプショウでのスタンプラリーもその中に入るのでしょう。しかし全国ユース切手展(JUNEX)はもう10年ほど開催されておらず、子供向けの解説書が消えて久しいですね。せめて今年夏に開催予定の『日本国際切手展2021』には子供向けのスペースも設けられるといいと思います。会場の一角でいいんですよ、一角で。

とはいえ子供向けのものを作るのって難しいです。子供騙しじゃダメなんですよ、そういうのを敏感に察知しますから。内容が現代に即してないと即座に違和感を感じますし。一方ではがきや封筒の書き方がわからない子もいるようです(下記リンク参照。こういうのは義務教育で習っているはずなのですが…)。ジュニア育成は喫緊の問題と言えますが、しかし今に始まった話ではなく、こういう状況がずっと続いている気もします。

【全国学力テスト】新聞に投稿…封筒の書き方で間違い続出 正答率57%
https://www.sankei.com/life/news/190731/lif1907310032-n1.html

さてこれは2013年にイランで発行された国際子どもの日の切手です。何やら少年が切手のストックブックを広げて、ピンセットで切手を拾い上げていますね。子供に切手に興味を持ってもらいたいという想いもあるのでしょう。少年が使っているピンセットの先が尖っているのが少々気になりますが…これでは切手が傷つくどころか、いずれスパッと切れますね。