フジャイラから米NYへ、1972年7月③

先日入手したアラブ土侯国切手(フジャイラ発行)のカバーの話題の3回目です。

中に入っていたのはこんなチラシでした。

土侯国切手を発行していた首長国は新切手発行のたびに世界中の切手商や郵趣団体、郵趣書籍の関係者にそのことを周知し、注文を受け付けていました。土侯国切手は1972年7月をもって発行を終了したため、新切手がない8月以降に送っていたものが何なのかは興味が湧くところです。

チラシを見ると、どうも1月に発行された切手を紹介しているようですが、注文するためのフォームは含まれていません。しれっと切手の発行枚数まで書かれています。土侯国切手の記録は不明な点が多く、なかなか興味深いところですね。

途中、手書きで訂正されていたり。

その他、ロゴを見ると国名表記がFujeiraではなくFujairahと書かれているなど興味は尽きません。

この案内はフジャイラ郵政による17番目のチラシだそうです。この発行案内についても全容がいまいちわかりません。恐らくこれは最後の方のものだと思うのですが。

というわけで土侯国切手をめぐる謎はまだまだ多いのです。その一端が垣間見えたカバーでした。もっとも、このチラシが確かにこの封筒の中に入っていたということが前提ではあります。なので、他にも同様の例がないか今後も調査されるべきでしょう。