端数切手が話題になるのは日本特有?

14日に発売された特殊切手『グリーティング(シンプル)』のうち、ぽすくまが意匠の1円切手の購入報告がツイッター上でも多く行われています。さすがに200万シート発行したのですぐの売り切れはないようです。個別の郵便局だと売り切れるところもあるでしょうけど。

そもそも1円切手が重宝されるのは過去の値上げ前に発行された切手を使う際に差額分に充てるためです。たとえば2年前まで発行されていた郵便はがき用の62円切手を今、郵便はがきに使おうとすれば1円をプラスする必要があります。至極当たり前のことを言っているように見えますが実は世界では当たり前ではありません。なぜなら海外では無額面切手が多く発行されているからです。例えばはがき用として売られた切手は将来料金が変わっても未来永劫、はがき用として使えます。そう考えると端数切手がここまで話題になるのは日本特有の現象なのかもしれません。

もちろん海外でも料金が書かれている切手はまだまだ発行されています。全ての料金パターンに対応した無額面切手を用意するわけにはいきませんので。しかし定番の郵便物、日本なら63円の郵便はがきと84円の25g以内定形郵便でしょう、このあたりは無額面切手に置き換えてしまってもいいのではないでしょうかね。郵便局側にしてみればコストばかりかかる低額面料金の切手を大量に用意する必要がなく、使う側も料金値上げに気づかず料金不足で怒られることがなくなり、無額面切手を買いだめしておくことで値上げの痛みをある程度緩和できるので、双方にメリットのあるものだと思うのですが。

今や、新規に発行される特殊切手はほぼ通常郵便(First-Class)用のFOREVER切手になっているアメリカ合衆国ですが、ここも一気呵成に無額面になったわけではありません。最初は値上げ後の料金が確定しないうちに新額面用の切手を発行する必要にかられて苦肉の策として無額面、あるいは額面をアルファベットにした切手を作ったのが今につながる無額面切手のはじまりです。これは1981年に発行されたB切手の切手帳で、当時は1枚あたり18セントで売られていました。ちなみにアルファベット切手はAからHまで順番に発行されており、A切手の発行は1978年です。