とにかく開催か、ひとまず延期か、あるいは中止か―郵趣イベント

いよいよあす25日より、パシフィコ横浜にて『日本国際切手展2021』<PHILANIPPON 2021>が開催されます。本来であれば国際色豊かな国際切手展になるはずでしたが、新型コロナ禍により海外からの出品は大変困難になり、切手商の来日も叶わず、国際展からアジア展に変更した上でイベント名はそのままで開催されることとなりました。

その一方で、残念ながら中止せざるを得なかった郵趣イベントもあります。一昨日(22日)には福岡県小郡市にて『筑後地方切手のつどい2021』が開催されるはずでしたが、開催2日前の20日より福岡県は政府による緊急事態宣言の範囲に入り、会場が使用不能となったためイベントは中止となり、そこで使用されるはずだった小型印もお蔵入りとなりました。事前に郵趣ウィークリーで小型印使用の情報を得ていたので郵頼していましたが、昨日23日にこの通り、案内文とともに未開封のまま返送されてきました(紙のサイズに合わせたのか、封筒は半分に折られて、テープでとめて送られています)。

同じ郵趣イベントといっても規模、性格、地域が違いますので開催するか否かという判断基準はそれぞれ違いますし、何が正解だということもありません。言ってしまえば、イベント内で感染が拡大しなければ正解ですし、クラスターが発生してしまえば不正解とみなされてしまう、後出しジャンケンでしか評価されない苦しい時代を我々は生きています。

さて明日からのPHILANIPPON 2021です。国際的な切手展を開催する以上、集客のために様々なイベントを企画することは当然ですが、新型コロナ禍においてはそういった集客企画がすべて感染拡大懸念の種とみなされてしまうことは皮肉としか言いようがありません。もちろん事前に参加登録をさせたり、人数制限を行ったり、検温や消毒を徹底するなど、感染拡大防止のための策がいくつも講じられています。しかしその一方で、個人的には、さらに感染拡大防止に万全を期すため、やり方を変更するべきだったのでは…と思う企画がないこともありません。

もちろん、何でもかんでもコロナ対策を最優先にしてしまうのも考えものだとは思います。あまりに別物のイベントになってしまうからです。そもそも国際的な切手展の場合は特に、あまりに多くの人たちや組織が関わっており(しかもその組織が大きすぎる)、開催の可否はおろか、イベントの内容もそう簡単に動かすことはできないのだろうということはわかります。

新型コロナ禍がはじまってはや1年半、この間、多くの困難があったと思いますが今日まで開催準備が進めてこられ、感染対策を徹底的に考えてこられた結果が明日からのイベントなので、あとは実際に参加される方の自己責任なのだろうとは思います。

FIP国際展という冠は外れ、第37回目のFIAPアジア展と変更されましたが、これはもともと昨年3月にニュージーランドが開催しようとしていたものです。いわば日本はそれを引き継いだ形になります。ニュージーランドは直前まで開催する気満々でしたが土壇場で入国が厳しく制限され、国内展に変更するという苦渋の選択を迫られました。今回の切手展にニュージーランド郵政は出展しませんが、同国の無念も込められつつ開催されるのが明日からの切手展です。日本にとってはこれが初のアジア展となります。

3年前の開催決定時に思い描いた華やかな国際切手展とはだいぶ様相が違うものになってしまうであろうことは大変残念ではありますが、明日からの6日間、可能な限り参観しようと思います。