今回もギニア名義の切手です。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の切手であり、かつ東京2020オリンピックの切手です。
シートに書かれているタイトルは”Report des jeux d’été en raison de la pandémie de COVID-19″。ギニアの公用語はフランス語なので当然これもフランス語で、翻訳すると『COVID-19の世界的大流行による夏季オリンピックの延期』です。”jeux d’été”をどう訳すかが問題で、これは英語で言うところの”summer games”です。これを意訳して夏季オリンピックとしたわけですが、オリンピックシンボルや組市松紋のエンブレムどころか、”olympiques”(オリンピック)や”Tokyo”の文字もありません。スポーツ選手や富士山っぽい山を描いて本来のテーマを匂わせ、しかしそのものズバリの表現は微妙に回避する、典型的な切手代理発行エージェントの切手です。
これはいつかどこかで改めて書こうかと思っていることなのですが、COVID-19関連切手は代理エージェントも数多く発行していますが、大まかに分けて2種類の切手が存在します。つまり、大量に刷って大々的に国際切手市場にて売りさばくモノと、少数限定で発行し個別にオファーをかけて販売しているモノです。当然のことながら値段が高いのは後者で、これが集めるのに問題なのです。今回ご紹介したこのギニア名義の切手もそうですし、例えば昨年ご紹介した南スーダンのCOVID-19切手もその一部です。COVID-19関連切手は最終的に途方もない数の種類が登場すると思いますし、十分テーマティクの題材になるとも思います。