ソ連崩壊30年切手

本日3月2日はミハイル・ゴルバチョフ元ソ連大統領(愛称:ゴルビー)の誕生日です。御年91歳。旧ソ連末期に改革を進めた人物として日本では開明的な政治家というイメージがあり、また実際そうなのでしょうが、あくまでも旧ソ連の政治家であることに変わりはありません。冷戦後に北大西洋条約機構(NATO)が加盟国を東方に拡大したのは冷戦の勝者を気取ったアメリカの思い上がりであると批判すると同時に、拡大を許した責任を自分になすりつけてきたとして後継国家のロシアも同時に批判しています。また大統領時の1991年8月に発生したクーデター未遂の際に軟禁されたのはクリミア半島にある別荘でした。2014年のロシアによるクリミア併合については、住民の選択による結果なのだから正当性を一概に否定できないという立場をとっています(あれが批判されているのは、住民投票がウクライナ憲法や選挙法規に則った形になっていないからです)。

NATO拡大は思い上がり ゴルバチョフ氏が米国批判
(日本経済新聞、2021/12/25)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB250H00V21C21A2000000/

独統一の際、NATO東方不拡大の約束はあったのか
(ニュースソクラ、2022/1/25)
https://news.yahoo.co.jp/articles/fd8419415de12d4b2a9fd356d376f5e4104d5831

[視点 ウクライナ危機]プーチン氏 無謀な賭け、露中心 秩序再構築狙う…名古屋外国語大学長 亀山郁夫氏
(読売新聞オンライン、2022/2/25)
https://www.yomiuri.co.jp/commentary/20220225-OYT8T50101/

さて昨年(2021年)はゴルビーが唯一の大統領を務めたソ連の崩壊から30年でした。これは2021年8月30日付でニジェール名義で発行されたソ連崩壊30年の切手です。ゴルバチョフが頭を抱える姿が描かれていますが、新連邦条約によるソ連邦維持に失敗したことを悔やんでいる姿なのでしょう。しかし、今これを見ると現状のロシアとウクライナ間の戦争にまで発展してしまった深刻な対立を嘆いている姿にも見えます。ゴルバチョフの他にも1989年のバルト三国独立運動の一環である『バルトの道』、ベルリンの壁崩壊、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世、ソ連軍の撤退などが描かれています。

…と、ついつい切手の題材にばかり目がいってしまいますが、実はよく見てみると切手そのものも、ものすごい変な形をした八角形切手になっていることがわかります。