ウクライナ郵政、無額面切手から『V』『Z』追放へ

ウクライナを軍事侵攻中のロシア軍の象徴に『Z』が使われており、侵攻に対する抗議の意思を示すため『Z』のあからさまな強調を排除する動きが続いています。単独の『Z』が第2次世界大戦後におけるハーケンクロイツと同様の扱いを受けつつあります。ところでウクライナの切手にて額面『Z』は上限50グラムの国際定形郵便(1米ドル相当)を意味するアルファベットとして使われていますが、もしかしたらこれもやめるのか?と以前に書いたところ、どうやら本当にやめるようです。

ウクライナ郵政が4月11日にニュースリリースにて、今後は『V』と『Z』の使用をやめると表明しました。これらの文字は今や、ウクライナ国民に対する恐怖の象徴となったとして使用を取りやめるつもりのようですが、詳細な理由までは書いてありません。『Z』についてはロシア軍の象徴に使われているのでわかるとしても、『V』まで取りやめる意味はよくわかりません。先日発行され大きな話題となっている『くたばれ!ロシア軍艦』の切手も、最初は”Victory”に通じるということで額面『V』が検討されたくらいです(結局は『F』と『W』が使われた)。ロシア軍の一部戦車に『V』が書かれていたという話もありますが、その理由がはっきりしていません。いずれにせよ、『V』や『Z』は他の文字に取って代わられると思いますが、現時点で発表はありません。(後日追記:ウクライナにおけるアルファベット額面についてはメモ書きレベルですがまとめています

それにしても、切手の額面ではなく用途を表示するという、いわゆる無額面切手は料金が変更されても引き続き販売・使用できる切手ということで今や世界中で重宝されていますが、まさかこういう理由で用途を示すアルファベット自体が変更される事態になるとは、まさか思いませんよね。なおすでに発行された『V』『Z』切手については引き続き有効のようです。

ま、それも時代の流れ。ということで今までにご紹介してきた『V』『Z』切手を改めてまとめてご紹介しましょう。まずは『V』切手。

そして『Z』切手。まあ国際郵便用なので『V』切手と比べるとそもそも種類が少ないです。

ウクライナ郵政ニュースリリース(2022/4/11)
Укрпошта припиняє випуск поштових марок і маркованих конвертів з літерними номіналами V і Z
https://www.ukrposhta.ua/ua/news/57617-ukrposhta-pripinja-vipusk-poshtovih-marok-i-markovanih-konvertiv-z-liternimi-nominalami-v-i-z

ウクライナ郵政Facebook(2022/4/11)
https://www.facebook.com/ukrposhta/posts/5061202017259745