正直、今更ながらの印象は拭えませんが、今年(2022年)4月12日にウクライナ郵政が発行した『くたばれ!ロシア軍艦』切手です。以前はこの切手を貼った郵便物(国際書留便)をご紹介しましたが、今回は正真正銘の単片です。
実は単片以外にもシートも確保しているのですが、未だに日本に届いていないため手元になく、そもそも無事に届くのかもわかりませんが、戦時下の郵便に平時と同じサービスを求めるのは無粋というものです。まあ、もし無事に到着したら改めてご紹介しましょう。
ちなみにこの切手、ウクライナ郵政は外国の収集家向けに通信販売をオンラインで受け付けましたが、購入希望者が殺到した上にロシアからサイバー攻撃を受けたこともあってかなり混乱したようです(今回、私はウクライナ郵政を使いませんでした)。5月23日には続編の切手『くたばれ!ロシア軍艦―完了』が発行され、そちらについてはウクライナ郵政もebayで大々的に外国向けの販売を行っていますが、現地価格より正直かなり高い値段での販売となっています。まあ、事態が事態なだけに、カンパのつもりで購入するのもいいでしょう。
さて最初の切手に話を戻して、今回は初日カバーも手に入れてみました。以前ご紹介したこれは西部リヴィウからの実逓便でした。
そして実逓便ではない、発行日当日の記念押印。今回はこういう封筒が大量に用意されました。
右上から時計回りにクリミア自治共和国、ヘルソン、そしてセワストポリ(セヴァストポリ)特別市の印を使った記念押印カバーです。しかしクリミア自治共和とセワストポリ特別市は2014年よりロシアの統治下にありますし、ヘルソンは3月上旬までにロシア軍に占領されたため発行時点では現地で押印どころではありませんでした。消印をよく見ると、地名の右隣に首都キーウの文字があるので、キーウの郵便局でこういう地名の消印を用意したということなんでしょう。なかなか興味深い初日印です。
最後にこれは冒頭ご紹介した『くたばれ!ロシア軍艦』切手を日本に届けてくれた封筒に貼られていた切手です。通常のウクライナにおける通常の消印が押されています。まさに戦火をくぐり抜けて届いた郵便と言えます。