『くたばれ!ロシア軍艦』のPスタンプ

ウクライナを含む各国郵政がウクライナ戦争の切手を発行していますが、通常の正刷切手だけではなく、写真付き切手(Pスタンプ)も積極的に活用されています。先日ご紹介したドミニカ国名義ガイアナ名義のA4サイズ切手シートもPスタンプでした。

ウクライナ郵政の『くたばれ!ロシア軍艦』の切手が大きな話題となり既に高値がついていた今年(2022年)5月初旬、同じウクライナ名義、同じ絵柄なのに違う切手が国際切手市場に登場しました。これはウクライナ郵政のPスタンプでして、6枚シート、9枚シート、28枚シートの3種類について作られていることが確認されています。なお、いずれも額面はVです。そのうちの2種類をご紹介します。

まずは6枚シート。

そしてこれは、28枚シートから取った単片です。

問題はこのPスタンプを誰が作ったかということです。当初、一般の誰かがウクライナ郵政に作成を依頼したのかと思ったのですが、次第にウクライナ郵政自身が作ったものではないかという結論に達しつつあります。ウクライナ郵政は自前の通販サイトを構えていましたが『くたばれ!ロシア軍艦』切手の発売以降、ロシアからのサイバー攻撃を受けアクセス不可能となってしまったため、複数の海外サイトにて切手の委託販売を行っており、そこで通常の正刷切手に加えてこれらPスタンプのシートも販売されていたからです。おそらく、元の切手が飛ぶように売れたことに気を良くして作ったのでしょう。

『くたばれ!ロシア軍艦』の切手はPスタンプになっても健在のようで、額面より割高で取引されているにも関わらず、比較的早期に売り切れが続出しました。なぜここで3種類のうち2種類しかご紹介できなかったのかというと、残り1種類は売り切れていたからです。迂闊でした。