大阪・関西万博まであと2年となり、万博に関する宣伝を町中で見る機会も増えてきました。入場券がちょっとお高めになるのではないかという報道もありますが、それに見合うようなワクワクが体験できる博覧会になることを期待しています。私も何度か行くつもりではあります。
さて大阪での万博といえば半世紀前のEXPO’70ですね。私自身はまだ生まれていなかったため体験しておらず、高度経済成長期の真っ只中に開催された半世紀前の大阪万博には興味があります。
これは当時制作された大阪万博の記念スタンプ帳ですが、記念切手集付となっているのが特徴です。会場内の各パビリオンに置かれた記念スタンプを押すページとともに、各国の切手を紹介するページもあります。なぜ切手が紹介されているのかはよくわかりませんが、スタンプと切手(=スタンプ)をかけたのでしょうか。まあ戦後の切手収集ブームがまだ続いていた時期ではあったのでしょう。
まずはスタンプを押すページをご紹介。私の手元にあるのは全部ではありませんが大体のスタンプが押されています。大阪万博はそれまでの史上最多の人が集まった博覧会で、『人類の進歩と調和』という標語をもじって『人類の辛抱と長蛇』と皮肉られるくらいでしたので、それだけにここまで様々なパビリオンを回って押印を行うのはかなり大変だったのではないかと想像します。もちろん1日では不可能でしょう。
中には切手の画像が掲載されている国もあります。
このモナコのスタンプは本物の消印にも見えます。P.T.Tとはモナコ郵政と関係の深いフランス郵政の当時の名称(PTT=Les Postes, Télégraphes et Téléphones)でもあります。
企業によるパビリオンには複数の色を組み合わせているスタンプも設置されています。これどうやって押したんでしょうか。
そしてこれが切手紹介のページなのですが、アラブ土侯国を含むEXPO’70の切手がずらりと並んでいます。紹介されている未使用切手に偽造防止の斜線が引かれていないのもポイントです。郵便切手類模造等取締法(郵模法)が施行されたのは2年後の1972年です。
途中でネタが切れたのかEXPO’70とは関係のない切手も登場します。
ちなみにこのスタンプ帳は1冊400円で販売されました。郵便はがきが7円、封書が15円の時代であり、万博会場チケットは23歳以上の大人が一人800円でした。そこから考えると親が自分の子ども全員に買い与えるような安いものではなさそうですが、ほぼ全ページがオールカラー印刷なのでこのお値段は致し方のないところです。こういう場所は財布の紐も緩みますし、何より高度経済成長の時代でした。
ちゃんと証紙が貼られているので正規のグッズなんでしょう。
EXPO’70の時は前年の1969年に寄附金付き切手が発行されました。今回に当てはめると来年の2024年には寄附金付き切手が出るのでしょう。こちらも今から楽しみです。