令和5年5月5日と、和暦で5が3つ並んだ5日、東京中央郵便局ではこの『5・5・5』の日付の風景印が押されたカードが発売されました。1枚100円、全4種で各55枚、午前10時より発売を開始し売り切れ次第終了というものでした。
これがそのカードで、94円、5円、1円切手にかかるように風景印が押されています。なぜこの切手の組み合わせなのかは不明ですが、やはり5円切手を使いたかったのでしょうか。1枚100円なのでちょうど切手代と同じ値段での頒布となり、このカードの作成費や押印の手間については値段に入っていないことになります。まあ100円分の郵送を行うよりはコストがかかっていないのかもしれませんが、しかし小銭稼ぎなのですから150円なり200円なりにしてもよかったと思います。端数が嫌なら4枚セットで600円にするとかね。
このカードについては1週間くらい前から東京中央郵便局にて発売が予告されており、当日は東京中央郵便局の開店時間となる午前9時の時点ですでに発行枚数とほぼ同じ50人程度が並んでいました。東京中央郵便局の奥にはこれとは別に『5・5・5』のための押印会場が設けられ、押印会場とカード購入の整理券が同時に配布されました。私自身は結局、押印はしなかったので順番が来たら押印しない旨を伝えてさっさと10時のカード発売に備え場を離れたのですが、押印会場ではこのように当日の風景印を押してくれる引受押印の特設ポストも設置されていました。
さあ本番のカード発売時刻となったのですがなかなか発売が始まりません。午前9時50分すぎよりレジの設営が始まったのですが10時を過ぎても終わらず、全然発売が開始される気配がありません。しまいには10時になったのに発売しないのかと局員に問い合わせる人が出てくる始末で、どうにも発売時刻を厳格に守る気配のない郵便局側に内心ウンザリした人が多かった様子でした。
なんでこんなに設営に時間がかかったのか。レジの機械を持ち込むのにも時間を要したのでしょうが、郵便局の中にある各種フレーム切手をわざわざ移動してくるなど理解しがたい行動もありました。ついでに売れることを期待したのかもしれませんが、その場にいる人ほぼ全員が目的は『5・5・5』のカードのみであり、それさえ買えればさっさと帰宅するかほかの郵便局に『5・5・5』の押印に行くという人たちばかりなので、こんなことで時間を費やしたのは印象としてかなり悪かったのではないかと思います。
結局、発売が始まったのは10時18分。しかも最後は整理券の番号関係なく順路の入り口に近い人達からなだれ込み、整理券を持っていさえすれば次々に売っていくというグダグダっぷりで、まあ数量は確保されているから買えればいいやという人が大半だったので大きな混乱にはなりませんでしたが、これは他のところだったら怒号が飛び交う事態になっていたのではないでしょうか。特にカードにシリアル番号でも入っていたら大変な騒ぎになったでしょう。
結局のところ今回のような出来合いの押印カードの販売自体は決して悪い企画ではなく、むしろよい記念になったと思います。しかし発売の段階になって急に手際が悪くなってしまった感は否めません。今回は全部売れても100円×4種×55枚=2万2千円と正直たいした売上にはなりませんが、しかしこういう小銭稼ぎをしっかりやっていくことも重要だと思います。当日の販売担当の局員さんも災難といえば災難かもしれませんが、まあここまで揉めるようなイベントではないはずで、せめて何らかの形で経験が次世代に受け継がれればいいと思うのですが。