台湾・台北にて開催されていた国際切手展『TAIPEI 2023』(第39回アジア展)ではリトアニアの切手代理発行エージェント、Stamperija(スタンペリヤ)社もブース出展していました。同社が発行した切手はこのウェブログでもおなじみの存在ということもあり、今回の訪台では楽しみなブースの一つでした。
初日に早速向かってみるとこれまでに発行してきた切手を拡大して、ブースの壁一面に張られていました。商売のため見た目だけは良い切手を発行してきた会社の面目躍如と言えましょうが、その中で私の目に留まったのがこの、これまでに同社が手掛けてきた国と期間の一覧です。こういうのは通常公開されず、推測するしかないので実は貴重な資料なのではないかと思います。画像が小さいので順番に書き下してみますと、
- アンゴラ:2018-2021
- チャド:2017, 2020-現在
- ジブチ:2016-現在
- シエラレオネ:2015-2020, 2022-現在
- コートジボワール:2014
- ニジェール:2013-現在
- ウガンダ:2012-2014
- モルディブ:2012-2022
- ソロモン諸島:2012-2017
- ハイチ:2010
- ブルンジ:2011-2013, 2021-現在
- 中央アフリカ共和国:2011-現在
- トーゴ:2010-現在
- コモロ:2008-2011
- ベナン:2008
- ギニア:2006-現在
- サントメ・プリンシペ:2003-2004, 2006-2011, 2013-2021
- ギニアビサウ:2001, 2003-現在
- モザンビーク:2001-2002, 2007-2022
- リベリア:2020-現在
こんな感じです。個人的に注目したのが、エージェントによる切手大量発行の代名詞とも言っていいサントメ・プリンシペが2021年を最後に契約を終了していたという点で、たしかにそういえば最近サントメ・プリンシペの新切手が出ていないなぁと薄々思ってはいたのですが、代理エージェントがその事実を追認した形となりました。
予想通り『TAIPEI 2023』の記念切手シートを7種類出していたので、まとめて購入した後、店員に訊いてみました。
「サントメ・プリンシペってもう発行終わったんですか?」
「そうだよ。我々はお金を払いすぎた。たまにあるんだ」
要はStamperijaが高いライセンス料を支払う割に儲からないということで契約を終了したと言いたいようなのですが、いやそれお金を払いすぎたんじゃなくて切手を発行しすぎたの間違いだよね? と言いたかったのですが、やめておきました。もっとも、今後また契約が復活する可能性はありますが。ちなみにこの店員はおそらくリトアニアから派遣されてきた方で、英語が母語ではないという印象でした。
しかし突っ込んだ話をする日本人が珍しかったせいか、このやり取りの後に発行状況一覧をポストカード大に印刷した案内をくれたのですが、これは2022年末時点での契約実績が書かれているため、2022年で終わっているものは本当に2022年で契約が終わったのか、あるいは2023年以降も契約が続くのか、これだけではわかりません。
今回購入した記念切手については、後日ご紹介する機会があると思います。このほか同社は、民間国際郵便サービス・BeePostの私製切手も発行を請け負っているため、その切手展記念切手も販売していましたが、そちらは興味がないので買ってきませんでした。
それにしても同社が現在までに作ったという切手が10万種超えだというのが恐ろしい。これまでに世界で発行された切手は100万種を超えたあたりと言われているため、ここ20年でその10分の1を一社だけで作ったということになります。