日本では遭遇できない切手商ブース

今年(2023年)8月11-15日に台湾・台北にて開催された国際切手展『TAIPEI 2023』(第39回アジア展)の切手商ブースにて出店していた『TAJIKISTAN』(タジキスタン)にて買ったものをご紹介してきましたが(実は他にもあるのですがそれはまた他にご紹介する機会があるでしょう)、何と言っても店主のオヤジが面白いのです。

青いシャツを着ている店主のオヤジ、ロシア切手商協会の会員名簿に同姓同名の方がいるようなのですが詳細は不明。とにかく今回はタジキスタンという名目で台湾に乗り込んできました。今回の切手展ではアジア系の方にヘルプをお願いしたようですが、いつもいるわけではないので、店主のオヤジが席を外すと誰もいなくなってしまいます。空っぽのブースを覗いていると、通路向かい側のブースの方が「今いないよ~」と教えてくれる有様。ブースのディスプレイは机の上にクリアファイルを何冊か置いたり、一角のショーウィンドウに切手を展示してあるくらいでした。他のブースは壁一面に販売物を展示してアピールするところを、ここはそれも控えめで、この写真を見ていただければおわかりの通り、まあ良くも悪くもシンプルな部類に入ります。

というわけでここの一角は少々他とは違った空気が流れていましたが、ロシア系が珍しいためかお客さんは普通に来ます。しかし私と話をしている最中に別の客から値段を訊かれると、急に席を外してしまい私との会話が中断してしまうということが何度かありました(この写真はまさにその場面です)。まあそりゃワンオペなので仕方がないのですが。しかし高圧的な客は許さない性格らしく、そういう場合に値段を訊かれると高めの値段を返していたようです。というか値札がないことが多く、全てオヤジに訊くしかないのです。

こっちはといえば目の前の物珍しい切手を手に入れたいので平身低頭。そのせいかオヤジに気に入られたらしく、買った後にロシア発行の切手をくれました。1993年11月25日に発行された、アムールトラの切手です。シートから田型に切り取って私にくれたのです。思いもよらぬプレゼント攻勢にこちらはもう完全に落ちてしまい、最後に握手までしてもらいました。

まあこういう切手商に出会えただけでも万難を排して台湾に行ったかいがありますね。日本国内の郵趣イベントではなかなか遭遇できないでしょう。またどこかで再会できることを楽しみにしています。