インドのCOVID-19切手

世界で重要な選挙が目白押しの本年、2024年。バーラトことインドでも4-5月頃に総選挙が見込まれており、同国のナレンドラ・モディ首相はすっかり選挙モードです。

1992年に暴徒と化したヒンドゥー教徒がインド北部アヨーディヤーに建っていたモスクを「ここは元々ヒンドゥー教の聖なる地なので、自分たちの寺院を別に建てますね」という理由で破壊し、その後暴動が全国的に広がりイスラム教徒を中心に約2千人が死亡するという事態に発展しました。件の土地は2019年に最高裁判断でヒンドゥー教徒のものとなることが確定し、跡地にはヒンドゥー教の寺院が建てられ、22日の落成式にはモディ首相も参加しました。もちろん選挙アピールです。

宗教施設を破壊された上に土地を追い出され、挙句の果てに犠牲者まで強いられたイスラム教徒にしてみれば到底納得のいかない事件でしょうが、インドの大半はヒンドゥー教徒。モディ首相自身もヒンドゥー至上主義のため、厳戒態勢の中で行われた落成式にも当然行くのです。毎年正月になればせっせと神社やお寺に初詣に行くにも関わらず、あなたの信仰する宗教はなんですかと問われれば6割以上が「無宗教です」と答える日本人にとって、一連の展開は俄には信じられないことです。

さて全土に広まってほしくないものといえば、暴動と…ウイルスですね。新型コロナだけでなくインフルエンザ、ノロ、そしてRSウイルスと、聞くだけでウンザリするウイルスが絶賛流行中です。もう新型コロナウイルスの変異株を細かく追いかけている人もほとんどいないでしょうが、オミクロン株(B.1.1.529系統)の亜種としてBA.2株→BA.2.86株→JN.1株と変異しており、今はこのJN.1株が日本だけでなく世界各国で広まっているようです。

これは2020年12月24日にインドで発行された、新型コロナウイルスと戦う医師、看護師、検査員の切手です。この頃はまだまだ新型コロナウイルスの感染が広まっていた時期です。一時期は徹底した消毒で下火になっていたインフルエンザも今シーズンは猛威を振るっています。今一度、基本に立ち返った感染対策を行いたいところです。