金井宏之氏とブルー・モーリシャス

繊維機器・不織布メーカーである金井重要工業の社長や会長を歴任され、日本を代表する切手収集家でもあった金井宏之氏が2012年に亡くなって、きょう26日で12年になります。金井氏といえば、イギリス領モーリシャスで1847年に発行された『ブルー・モーリシャス』の所有者としても有名です。故意なのかは不明ですが、とにかくモーリシャス第1号となる、”POST PAID”と書くべきところに”POST OFFICE”と書いてしまった切手が1ペニーと2ペンスのそれぞれ500枚ずつ発行されました。現在はそれぞれ15枚と12枚の合計27枚しか現存していないこの切手を、金井氏は一時期、合計6枚も所有していました。

金井氏の所有していた1ペニーと2ペンスの未使用切手は1993年に競売にかけられ、モーリシャス商業銀行を中心とする同国の企業で結成されたコンソーシアムが200万ドルで落札し、約150年ぶりの里帰りが実現しました。現在は首都ポートルイスにある『ブルーペニー博物館』に所蔵・展示されています。

さて、これは2022年10月8日にモーリシャスより発行された、モーリシャスの一番切手発行から175年となったことを記念する小型シートです。

当然のように切手部分には未使用の『ブルー・モーリシャス』が描かれていますが、これは果たして、かつて金井氏が所有し、現在は博物館にて眠っている『ブルー・モーリシャス』なのでしょうか? 実際に現地の博物館に行って現物を見れば確認可能かもしれませんね。