大阪府堺市にて営業していた老舗切手商『大阪アプ・センター』がいよいよ昨年度末をもって閉店するということで、閉店約1カ月前の2月下旬に現地を訪れました。その際のことは当ウェブログでもご紹介したとおりなのですが、
このたび、そのアプ・センターよりお手紙が届いていました。若干の胸騒ぎを覚えつつ開封してみると、
中には長年親しまれてきた会報紙『はんぱもの』の2024年春月号(原文ママ)。そしてそこには閉店を1年間延期するという文言が!
営業存続を望む声が多いというのは先日、お店をお邪魔したときにも店主から伺ってはいました。まだまだ切手やコインの在庫もあることですし、そこまで需要があるなら当面は続けようということなんでしょう。これも先日書いたことですが、何しろ80歳を前にして未だに意欲は衰えていないご様子でした。日本における戦後の切手収集の栄枯盛衰を切手商の立場から目撃した生き証人と言えます。
それにしてもこの郵便、宛名が全て手書きなのです。これはもう店主のこだわりだそうで、パソコンを使って宛名は印刷しないとおっしゃっていました(パソコンそのものを使っていないというわけではない)。しかし未だに500人程度の会員は存在しているわけで、住所ラベルくらい自動化すれば楽できるし、持続可能な店作りにもつながるかもしれないのに…と思いましたが、まあそこは個人の好みなのでね(さすがにこの期に及んで会報紙を電子化したほうがいいとまでは言いません)。
というわけで当面は従来の個別の商品販売に加えて、これまでの在庫をまとめて福袋形式で販売するという業態に移行するようです。何しろ半世紀続いている店なので色々と掘り出し物もあるかもしれませんのでご興味ある方はぜひ。個人的にはここまで引っ張るなら来年4月に開幕する大阪・関西万博に行くときにお店に立ち寄ってみたかったですが。