イギリス領インド洋地域(BIOT)のディエゴガルシア島にある最高裁判所が予定していた公判が、同島を借り上げているアメリカの横槍で中止になったと報じられています。3年ほど前にカナダに向かっていた移民の一団が船のトラブルで同島に到着したまではいいものの、不法に拘束されているとして訴えを起こしているものです。アメリカにしてみれば、軍事基地をおいている島のあちこちを裁判官や弁護士、報道機関など部外者に色々と視察されるのが嫌なようです。
もっとも、同島の領有権を主張しているモーリシャスからすれば、米英双方とも何を勝手なことを言っているのかという思いでしょうが。
米当局がイギリス領での裁判を阻止、米軍基地の「安全保障」理由に
(英国放送協会BBC、2024/7/10)
https://www.bbc.com/japanese/articles/c51yxzqxz0lo
これはBIOT郵政が2021年2月22日に発行したウミウシの切手です。すでに以前もご紹介したように、BIOTにおけるイギリスの領有権は国際的に認められておらず、万国郵便連合(UPU)もBIOT郵政の発行した切手の使用は認めていません。これを受けて同年6月8日に発行した切手を最後にBIOT郵政は新切手を発行しておらず、今回ご紹介した切手は最後から2番目に発行された切手です。
とはいえUPUから認められまいが独自の切手を発行するという例は普通にあるため、BIOT郵政が領域内の郵便に使うという名目で切手を発行することは可能のはずですが、3年近くも新切手を発行してないのはやはりイギリスなりのプライドなのでしょうか。