上海の郵政博物館では展示コーナーの初っ端でいきなり中国共産党や習近平主席との深いつながりをアピールする文章が掲げられ、極東から来たウブな日本人としては少々面食らってしまったのですが、ここからは上海における郵便制度に関する通常の展示になります。まずは、近代郵便制度が始まる前の時代のお話です。
説明文によれば中国における郵便の歴史は紀元前16世紀から前11世紀に存在した殷から始まっているとされています。書面による記録が残っていることを根拠に、中国の郵便サービスは3,000年の歴史を持っていると書かれています。ここから近代郵便が始まる19世紀までの内容をここで一気に展示しているのでその範囲は非常に広いです。近代以前の通信手段についてもネタには事欠かないようで、多くの展示物を見ることができるほか、イラストも交えて郵便制度が説明されています。
ここでは唐から明にかけての『朝令夕至』について解説しています。とにかく国土が広い中国、至るところに郵便ネットワークが整備されていったというようなことが書いてあります。
実は最初の方には殷どころか、それよりもさらに古代の原始的通信手段と思われる狼煙でさえジオラマで紹介されています。ここまでする必要があるのかは不明ですが…まあ通信手段には違いありません。
というわけで近代以前のコーナーはここで終了し、次号より近代郵便制度以降の展示となります。