日本郵便が11月17日より鳴り物入りで開始した来局ポイント『ゆうゆうポイント』にてトラブルが発生しています。まず12月18日にアプリから取得用QRコードを読み込ませても取得できないという事象が発生しました。
郵便局訪問時の「ゆうゆうポイント」取得に障害発生
(月刊ロジスティクス・ビジネス、2024/12/18)
https://online.logi-biz.com/115585/
日本郵便、ゆうゆうポイント取得に関する不具合解消
(LOGISTICS TODAY、2024/12/19)
https://www.logi-today.com/701974
これはすぐ解決し、まあこういうことはいずれ起こるだろうなと予想もしてはいたのですが、それより深刻な問題が発生しました。
いったんポイントを取得できたのに後日取り消されるという事象が発生したのです。それを知らせる『ゆうゆうポイントの付与の取消しについて』と題したメールが私のところにも来ました。
ところが、不正の心当たりがないのにポイントを取り消されたという方が続出したためか、日本郵便は翌日になってあわてて『ゆうゆうポイントの付与取消しに関する不具合について』と題したメールを送り、取り消したポイントを返却すると発表しました。
というわけで、このようにポイントも返却され、めでたしめでたし…といきたいところですが、そうはいかないでしょう。
そもそも1通目のメールが上から目線すぎるという点も反感を買ってしまったのですが、それよりこのことでポイント獲得の判定を緩めざるを得なくなってしまったのではないかと推測します。
先に掲げたメールにも書かれている通り、ゆうゆうポイントとはあくまで郵便局に来局した際に付与されるポイントなので各局に設置されたQRコードだけではなく位置情報も含めて取得を判定するのは至極当然のことなのですが、おそらく判定基準が厳しすぎたためにこのような騒動が発生してしまったのではないでしょうか。郵便局とスマホの距離をどこまで許容するのか、この匙加減が難しいのですが、そもそも位置情報をどこまで信用するかという点も問題です。このようなことが起こってしまった以上、多少距離が離れていても問題無しと判定せざるを得ません。ということは、それこそ不正をしやすくなったということになります。
厳密に行うならばQRコードを毎日変更するなどの工夫は必要だと思いますが、おそらく郵便局の規模からすればそれはとうてい不可能な話です。つまりある程度判定がザルになるのは日本郵便も受け入れざるを得ないと思われます。そこまでしてこのゆうゆうポイントなるものを継続する価値があるのか否か、いずれ問われるときがやってくるのではないでしょうか。
ゆうゆうポイントの付与取消しに関する不具合対応について
(日本郵便ニュースリリース、2024/12/20)
https://www.post.japanpost.jp/notification/productinformation/2024/1220_03.html(リンク先はアーカイブ)