昨年(2024年)11-12月に開催された国際切手展『CHINA 2024』に出展していた万国郵便連合(UPU)ブースでは国際返信切手券(IRC)が販売されていましたが、単独のIRCだけでの販売ではなく、タトウに入れられての販売でした。これが私がブースを訪問した時点で7種類もあり、一瞬どうしようか考えましたがすべて購入することとしました。そのすべてを数回に分けてご紹介しようと思います。
ところでIRCとはいっても、実際には見本です。UPUが特定の国家のIRCを販売するわけにはいかないのでUPU旗になっているのは納得するにしても、UPUがIRCを持ってこられても自身が発行している切手はないので何も交換することはできず、したがってIRCの見本とするのは理にかなってはいます。同じ国連の一部とはいえ、全く違う組織である国連郵政部発行の切手と交換するわけにはいきませんしね。
さて、現地で販売され購入した7セットのIRCのうち今回は3つをご紹介しようと思います。いずれも表紙にUPU創設150周年のロゴマークが右上についているのがおわかりかと思います。元々これはUPU創設150周年を記念するIRCのなのですが、それにさらにいろいろな記念事項があるか、ないかでさらに3種類に分かれています。
これが一番上の台紙を開いたところです。UPU創設150周年の記念ロゴマークが左上に印刷され、国旗の部分にはUPU旗が描かれています。これがノーマルなUPU創設150周年記念のIRCです。ちなみにこのIRCは台紙にくっついているので、取り外すことができません。なので裏側は一部しか見ることができませんが、通常のIRCと全く同じのようです。
中央の台紙には、さらに2024年10月にフランス北部のシャロン=アン=シャンパーニュにて開催された”Timbres Passion”の開催を兼ねた記念IRCが収められています。中央のロゴマークが印字されています。
そして一番下の台紙は、まさに開催中の『CHINA 2024』の開催を兼ねた記念IRCが収められています。切手展のロゴマークが描かれているのでわかりやすいですね。
これらIRCにはスタンプが押されていないのですが、希望すれば押してもらえます。せっかくなのですべて押していただきました。そう、このIRCセット、販売前はすべて押印されていない状態なのです。なので客が押印を希望した場合は販売を受け持っているオバちゃんがタトウを袋から取り出し、中のIRCに一つ一つ押印していくのです。全7セットを購入し押印していただく場合、そこに収められているIRCは全部で9枚なので、押印箇所は全部で18! それを押印するだけでも大変なのに、インク吸引のシートもないので、そのためのティッシュをその場でいちいち千切って押印箇所にあてがい、再び袋に入れていくのです。なのでまあ、時間がかかるかかる!
とはいえ、こちらも急ぐ理由はないので別に気にしません。途中でインク吸引用のティッシュが底をついてしまうというアクシデントを乗り越え、無事に押印完了となりました。