上海市の郵政博物館訪問(その18-1950年代、拡大の時代)

1949年に中華人民共和国の建国が宣言されたと同時に中華人民郵政が設立され、いよいよ現在の中国郵政に直接つながる郵政事業体の歴史が始まります。ここからは郵政に関する泊粒感の展示物として、日本における感覚と比較的近いものをメインに見ることができます。党や国家の郵政に対する貢献が強調される点は変わりませんが。

さて中華人民共和国が成立した当初、郵電部(郵政部)は『統一指導、分業経営、垂直体制』の管理モデルを採用していましたが、1950年9月に『郵電一体』の管理体制に改められました。『党と国家の多大な配慮と、各地方政府の全面的な支援』のもと、上海郵政は自力で郵便網を急速に拡大し、郵便事業を発展させていくのです。これにより郵便路線の距離は大幅に増加し、増加する人口に対応してサービス提供エリアも徐々に広がっていきました。この時期、郵便サービスは手紙や小包のほか、送金や新聞・雑誌の配達も取り扱っていました。

その横には、1950年代の中国全土における郵便配送網の拠点を示した地図や、当時の様子を写した写真が展示されています。地図右部にある田型の写真のうち、左上は盧湾自動化郵便局の1960年の様子で、ここでは郵便配達のため様々な機械や機器が開発されました。具体的な成果は次回、ご紹介したいと思います。右下には何やら仰々しい機会が写っていますが、これは上海郵便局の局員が1950年代に試作した郵便仕分け機で、どうやらこの時代は機械化によるオートメーションが強く意識されていた時代のようです。左下は、建国直後に使われていた郵便車両です。最下部の集合写真は、第1回全国郵便会議の際のものです。

これは1949年に発行された、第1回全国郵便会議を記念した切手です。実物ではなく、拡大したコピーが貼られています。