上海市の郵政博物館訪問(その19-1960年代、機器開発の時代)

中華人民郵政は1950年代以降、郵便事業の拡大だけでなく、合理化にも手を付けます。その一つが、前回ご紹介した盧湾自動化郵便局における郵便機器の開発です。これらも上海郵政博物館に展示されています。

これは1960年代初頭に開発された、切手や封筒、はがきの自動販売機です。展示されているのはその試作品と思われます。具体的な操作方法は不明ですが、硬貨投入口に、お釣りや商品が出てくる口がある一方、数量を指定するボタンは見当たらないので、お金を入れたら商品が一つだけ自動的に出てきて、あとはお釣りとして返されるという単純なものではないでしょうか。これらが実際、どこまで実用化されたのかは不明です。

これらは郵便物用の秤です。2キロの手紙用、5キロの印刷物用、扇型の小包用の秤が使用されていました。1980年代以降は電子秤が使用されるようになりました。

これらの機器を開発したのは盧湾自動化郵便局というところで、前回、その様子を写した写真をご紹介しました

1960年代の写真も紹介されています。右下はその盧湾自動化郵便局が1960年4月12日に開局式を迎えたときの記念写真で、右上は盧湾自動化郵便局における同年(1960年)の風景です。左上は全国人民代表大会(全人代)の副委員長となっていた初代郵政大臣の朱学范が北京郵政局からの報告を聞いている場面、左下は第7期全人代常務委員会の第22回会議において、右端にいる郵政通信部長(郵政大臣)の楊泰芳が、中国が万国郵便条約の第4追加議定書を批准する理由について説明しているところです。

しかし、この時代の後半の主要な政治的イベントである文化大革命については、その記述はないようです。