令和になり1年が経過しましたが…

元号が令和になって1年が経過しましたが、改元に関して私の読みが大きく外れたことがあります。それは、世界から改元に関する切手がほぼ全く発行されなかった(らしい)、ということです。

昭和から平成に代わった1989年、そして平成時代の天皇陛下(現在の上皇陛下)の即位の礼が行われた1990年には、切手代理発行エージェントを中心にして改元に関する切手が多く出たのです。当時、リベリアから発行された昭和天皇が描かれたコインを切手の意匠にして、余白に日本語で「昭和の終わり そして 平成の始まり」と書かれた小型シートを以前にも紹介したことがありました。画像は当時、レソトで発行された切手です。よく見ると目打がずれてしまっていますね。エラー切手ですが、私の手元にあるくらいなので大したものではありません。

平成のときの前例があり、ましてや今回は改元タイミングが事前にわかっていたため、令和改元もそれなりに切手が出るだろう、と単純に思っていたのです。ところが…今のところ令和改元に関する切手が出た国は日本だけのようで、それ以外の例を私は寡聞にして知りません。一部の切手代理発行エージェントでは後出しで平気で切手を出すのでまだ不透明な部分はあるとはいえ、ここまでの『不作』は完全な予想外だったのです。

いったいなぜ、私の予想は外れてしまったのか。それは、この30年の間に日本の世界における地位が低下してしてしまったことを示しているのでは…?という考えに至っております。特に切手代理発行エージェントは売れるネタの切手を出したがります。今、最もいいお客さんは、やはり中国でしょう。だから中国を題材にした切手が多く出ています。これは代理発行エージェントに限りません。もちろん日本を題材にした切手もなお出てはいますが、しかし日本の慶事などもはや彼らのアンテナには引っかからないのかもしれません。

予想が外れたといえば、日本で改元を強調する切手(お年玉くじダブルチャンスやかもめ~るの賞品の小型シート)が発行されたことも予想外ではありました。これは、今回の改元が天皇崩御を伴うものではなく、祝賀ムードの中で行われたからということもあるのでしょう。