1972年表彰台独占『日の丸飛行隊』切手

平昌オリンピックの開会式が行われました。開催前は色々な話題を振りまいた冬季五輪ですが、すべての日程が無事に成功裏に終わることを願っています。
さて画像は46年前のアジア初の冬季五輪、札幌オリンピックの切手です。みんな大好きアラブ土侯国の一つ、ラアス・アル=ハイマ名義で発行されたもので、15ディルハム切手にはスキージャンプ70m級で日本人が表彰状を独占したことにちなみ笠谷幸生、金野昭次、そして青地清二と、いわゆる『日の丸飛行隊』のお三方が描かれています。

土侯国切手はしばしば自国の話題に関係ない題材で発行することが批判の的となってきました。ラアス・アル=ハイマ、それに後継国家のアラブ首長国連邦は当時はもちろん今日(2018年)に至るまで冬季五輪には1回も参加したことがありません。そういう意味ではこれもまた自国の話題には関係ない切手ではあります。しかし日本人にしてみれば(発行者の思惑通り)存在が嬉しい切手ではあると思います。しかも日本そのものが『日の丸飛行隊』を取り上げた切手を出したのは札幌五輪からなんと39年、2011年の『日本のスポーツ100年』を待たなければなりませんでした。かつて日本切手は皇族を除く生きている人は切手にしないという暗黙の取り決めがあったようですが(ちなみに2011年の時点で青地氏は3年前に死去)、しかしそれにしても遅きに失したと言わざるを得ません。このような経緯を考えれば、ラアス・アル=ハイマの切手は決して軽視するべきではありません。