閉ざされた国家の切手入手

ジンバブエではロバート・ムガベ大統領時代の2000年に、白人農業経営者から農場を強制的に接収し、土地を持っていない黒人に分け与えるという大変とんでもない政策が実行に移されたことをご存じの方も多いと思いますが、このたびジンバブエ政府が元の農場主に対して保証金を支払うことで合意したほか、農場の返還申請を受け付ける用意があるとのニュースがありました。

このかつての白人所有の農場接収が国際切手市場に与えた影響を、アオヤマスタンプさんが紹介しています。ちょっと引用させていただきましょう。

ムガベ大統領が白人の農場 タダで接収して追い出しました
白人農場主のうち何人かは趣味で集めていた切手を持ちだしました
切手だとね コンパクトにまとめられるのでね
そして 生活再建資金として 主にロンドンで売りました
これ以降 あんなに手に入らなかったローデシア切手
大暴落しました
ピーク時の1-2割くらいでしょうか?という状態です

ジンバブエ 土地代金返還する??
http://blog.livedoor.jp/aoyamastamp/archives/52099699.html

なるほどねぇ。何かあると困るから、やはり切手は持っておいたほうがいいな。

という冗談はさておき、現代にも国際的な禁輸が敷かれているおかげで堂々と切手を入手しにくい国があります。それが北朝鮮なわけですが、北朝鮮から外国に逃れる(いわゆる脱北ですね)のは困難だし、切手を買う余裕があるような富裕層をむざむざ北朝鮮国外に逃がすこともしないでしょう。そもそも北朝鮮の切手は正直申し上げて中国あたりでゴニョゴニョしているので入手もまあ、そんなに…とはいえ日本も経済制裁で輸入を禁止しているので、入手すると外為法違反となります。当然のことながら第三国経由でもダメです!経済制裁の意味がないからね。

しかし!

北朝鮮切手は国内向けと外国人収集家向けで紙の質が違うんだそうです(当然、国内向けのほうが悪い)。ということはですね、誰か北朝鮮国内の富裕層…まあ中間層でもいいや、とにかく切手を買う余裕があるような方々がですね、何らかの理由で切手を持ったまま大勢脱北して、大量の切手を国際切手市場にばら撒いたらですよ、いままでほぼ入手が不可能だった国内向けの紙質の北朝鮮切手があっという間に我々の手に…!

まあ、たとえ紙質を分けているのが本当だとしても、金王朝体制が続く限りは、入手は無理だろうなあ。