大阪市を廃止して4つの特別区を設置することの是非を問う、いわゆる『大阪都構想』の住民投票が1日に執行され、2015年の前回に引き続き否決されました。大阪市は2025年以降も存続することとなります。私自身は大阪市在住ではありませんが、しかし同じく政令指定都市に住んでいる身としては他人事ではなく、開票速報を注目して見ていました。例えば横浜市を廃止して特別区を作るかを問う住民投票やったら、圧倒的多数で否決されるんだろうなあ。横浜という地名をなくしたくないでしょうな、横浜市民は。大阪市の場合は、府も大阪という名前ですからね。
郵趣的な興味でいえば、これまで相模原市や岡山市が政令指定都市に昇格した際には日本郵便よりフレーム切手が発売されました。果たして政令指定都市が廃止されて特別区が設置された場合はどうなるんだろう?と思っていましたが、否決されましたからね。
子供の頃より横浜市に住んでいて思うのは、住所が長ったらしくなるのが面倒くさいということです。今の私の住所は『神奈川県横浜市青葉区青葉台1丁目~』です。○○県△△市□□区××、という形になるのは政令指定都市は市の下に行政区がぶらさがっているからです。普通の市なら○○県△△市××で済むはずなのですよね。書類に自分の住所を記入する際、なぜ都道府県の次が『市・区』となっているのか子供の頃は不思議でした。都道府県の次に区を選ばせる理由がわからなかったのです。
もっとも政令指定都市の場合は都道府県名を省略するという書き方が容認されてはいます。郵便番号7桁になった時は、郵便物の住所はもっと省略していいという話だった記憶があるのですが、結局のところ一般的ではないですね。私の例で言えば、青葉区以下から記載しても、日本郵便はきちんと届けてくれますが。
そもそも政令指定都市という仕組み自体が非常に中途半端なものです。都道府県のほうが上位ではありますが、権限の多くを委譲されている存在です。同格とまではいいませんが、かなりそれに近い。だったら大阪市は都構想じゃなくて、大阪府から独立して特別市にすればいいのではないか?実際、そういう意見を耳にしますし、私もそう思います。
実は地方自治法には当初、特別市の規定があったのですが、大都市に抜けられる側の都道府県にしてればたまったものではないので反対運動が巻き起こり、都道府県全体の住民投票で過半数の賛成を得られないと特別市になれないという、ほぼ無理ゲーな条件が課せられました。結局、特別市の条項は地方自治法から削除され、政令指定都市という中途半端な制度を作ってお茶を濁しているわけですね。
でもね、海外ではどこの州にも属さない特別市を設置している国もありますし、日本でも議論していいと思うのですがね。そして政令指定都市の住所をぜひ短くしていただきたい。どうせ横浜市民は対外的には神奈川在住と言わず横浜在住って言うんだし。