郵便切手には常に時代の最新技術が使われてきました。その目的は利便性の向上のため、偽造防止のためなど様々ですが、一昨年頃より登場してきたブロックチェーン技術を利用した切手は、どちらかというと目新しい話題作りという側面が大きかったように思います。なぜなら切手としての機能には大きな違いはなかったからです。では、今回の発表はどうでしょうか?
4月13日、米ケースメール(CaseMail)社は、アメリカ合衆国郵便公社(USPS)が郵便用NFTを承認したと発表しました。これについて日本語メディアでは暗号資産(仮想通貨)業界のニュースをメインに取り扱うコインテレグラフが報じてはいますが、しかしこの記事だけを読んで具体的なイメージが湧く人はあまりいないのではないかと思います。かくいう私もそうです。
郵便切手がNFTに 米国の郵政公社がサービス開始
(コインテレグラフ、2021/4/14)
https://jp.cointelegraph.com/news/nfts-by-mail-us-postal-service-plans-to-support-postage-tokens
そもそもNFTとはnon-fungible token(非代替性トークン)の略称で、デジタルのアート作品や契約証明書など、文字通り『替えのきかない』データを指します。今回のこの記事を読むと、ePostageラベルと称したNFTを実際の郵便物にデジタルで押印するとしていますが、よくわかったようなわからないような表現です。NFTはブロックチェーンの上に存在するデータのため、複製することができません。今回の郵便用NFTを使用することによって、デジタルと実物資産の両方が検証可能となると記事には書かれており、まあePostageなるものを使うことで、その郵便が確かに自分が送ったものだと証明することができるようになる、ということなのでしょうか。いずれにせよ今後の詳細な情報が明らかにならない限りはなんとも言えません。最近NFTが流行ってるからとりあえずやっとけ、ということのような気もするんですけどね。
以下のCaseMail社による動画によれば、ペニー・ブラックやアメリカ初の切手に並ぶ存在としてこの郵便用NFTが紹介されています。
Blockchain NFT Postage History of Firsts
https://youtu.be/5G4eFhi9fnw