10月7日の午後10時より、テレビ東京系列にて『新美の巨人たち バンクシー「ウクライナ郵便局の切手」×内田也哉子』が放送されました。
ロシアによるウクライナ侵略の開始から1年となる今年(2023年)2月24日にウクライナ郵政がバンクシーの絵を使った切手を発行したことは当ウェブログでも取り上げましたが、この番組ではバンクシーの絵が使われた意義、またバンクシーが何故柔道をテーマとしたのかを探っています。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が就任後まだ間もない2000年9月に日本を訪れた際、講道館にて子どもたちの柔道の稽古に参加したことはあまりに有名な話ですが、スポーツと子どもという組み合わせがまさにプーチンのイメージアップに繋がったと指摘します。
番組にはウクライナ郵政のイゴール・スメリャンスキー(Ігор Смілянський)総裁も登場しており、バンクシーは大義があれば絵を無償提供してくれるということ、この絵がウクライナの声をよく反映していたことなどをこの絵を切手に使用した理由に挙げています。日本円で1枚670円のこの切手シートは25万枚が完売し1億6000万円を売り上げ、寄附金でいくつもの小学校の防空壕を作ったようです。このバンクシーの絵は、首都キーウ近郊の幼稚園の建物に描かれました。戦争で破壊された教育施設の壁に描かれた絵が切手となり、その売り上げが教育施設の安全を確保するために使われたわけです。
ウクライナ郵政は開戦直後から積極的に切手を発行し世界中にアピールを続けています。その内容、やり方には色々な意見があるでしょうが、個人的には非常にうまい宣伝を続けているように思います。現代の戦争は情報戦も重要になっていますが、切手もそこで重要な役割を果たしているという点は見逃すことができないでしょう。
この番組は10月21日夜11時30分よりBSテレ東でも放送されるとのこと。
ウクライナ郵便局が発行した切手×内田也哉子
(テレビ東京、2023/10/7)
https://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/index.html?trgt=20231007