北キプロスの2023年度ヨーロッパ切手

最近、世間をざわつかせているニュースと言えばギリシャとトルコの関係改善ですね。大昔から仲が悪かったという両国ですが、最近では今年(2023年)2月6日にトルコで大地震が発生した際にギリシャが迅速に支援を行ったことがきっかけで関係が改善に向かっているそうです。

さて両国の溝の深さを象徴するのがキプロスです。現在、キプロスは南北に分断され、南側はギリシャ系、北側はトルコ系住民が統治しています。キプロス共和国として国際的に認知されているのは南側で、北側は北キプロス・トルコ共和国を名乗って独立国であると主張していますが、トルコしか国家承認していません。南北キプロスはそれぞれ独自に切手を発行していることもあり、今後、このキプロス問題がどうなるか郵趣の観点からも目が離せません。

というわけで今回は北キプロスより今年5月3日に発行されたヨーロッパ切手(旧・CEPT切手)です。テーマは『平和-人類の最高の価値』。1枚目が共通図案、2枚目が独自の図案で、鳩とピースマークが描かれています。ただし北キプロスはPostEurop(欧州郵便事業者団体)には加盟していないため、勝手に発行しているだけです。そのためか共通図案切手はおそらく正式な画像データを使っていないのでしょう、他の国の(正規の)共通図案切手と比べると荒い画質になっています。後ろ盾のトルコ郵政は正式な画像データを持っているはずで、こっそり提供すればいいのに…とも思いますが、ダメなんでしょうね。