昨年(2024年)開催の国際切手展『CHINA 2024』を参観するため開催初日に上海に渡航し、現地で日本コミッショナーとの待ち合わせも終え、単独行動となってからはさっそく会場の二階にあるというディーラーズ・ブースに行ってみたのですが、後から考えると、この日に私が訪れたのは中国国内から出展していた店舗が集められた区画でした。国外から集まってきた郵政部が集まっているのは、2日目以降に訪れることになります。そもそも手元にはまともな地図がありませんでした。公式サイトにすらまともな会場案内図はなかったのです。実際には会場の外側に地図は掲示されていたのですが、何しろもうこの日は疲労困憊で、広い会場内を探す気力はなかったのです。
しかし、そこは切手展。次第に雰囲気にも慣れ、色々と観察をする心の余裕もでてきました、私が驚いたのは、中国の方々はスタンプを押すのが非常にお好きということです。上海滞在を通じて、いろいろな場所に置かれたスタンプを、思い思いのスタンプ帳に次々に押していくのです。これは風景印や小型印といったような法的なものではありません。なので、切手を貼って押すわけでもありません。ただひたすらに押していくのです。また店舗側もそれをわかっているようで、多くの種類のスタンプを用意しているのです。これは切手展会場だけではなく、上海郵便局でも同じ光景を目撃したのは既にご紹介したとおりです。
やはり、こういうのは現地に行ってみないとわからないものです。興味深い光景を目撃できました。
まるで物産展と称されたディーラーズ・ブースでしたが、確かに切手というより各種グッズを販売している店が集まっている区画もありました。そしてそこでは色々な出し物が行われていました。これは中国の四川省に伝わる『変面』ですね。顔の仮面が瞬時に切り替わるやつです。実はこのシーンは動画を撮っており、これは動画から起こした画像なのですが、中国の方々もみんなスマホで撮影しており、手も何も触れずに頭を早く動かしただけで仮面がパッと変わったのを見て驚いていたので、やはり中国においてもすごい芸当なのですね。これを生で見ることができただけでも上海を訪れた甲斐があったかもしれません。
もちろん切手を販売する専門の中国国内の切手商も多数出展しており、ここは線引がきっちりなされている印象でした。とはいえ、販売されている切手や硬貨、紙幣はおそらく値段が高めの、貴重なものが目立ちました。それこそ日本の切手展に見られるような、ここ数十年の切手を額面どおりか、それに若干プラスして販売するといった類のものは見当たりません。やはり、中国ではまだまだ投機の対象なのかもしれません。