国連『家族送金の国際デー』切手

国際的な取り組みなのに日本だとあまり報道されないためほとんど知られていない活動というものがあります。『持続可能な開発目標(SDGs)』はようやく一般にも認知されてきました。グローバルな気候変動対策を呼びかける『アクトナウ』はまだまだ知られていないんじゃないかな…過去にもこのウェブログにて紹介したとおり、いずれも世界各国から切手が出ているのです。日本はこういうの全然出しませんけど。

そして今回紹介するのもまた、あまり日本では知られていないと思われる活動の切手です。『家族送金の国際デー』。2018年に毎年6月16日と制定されました。家族への送金の重要性を認識するというこの記念日、どういうものかというと、世界では今、2億人の出稼ぎ労働者が本国の家族に送金をすることで8億人の子どもたちの未来が守られている現状を踏まえ、家族送金の重要性を認識しよう! といったものです。単に貧困の緩和だけではなく、栄養のあるものを食べられますし、子どもたちが労働しなくて済みますし、教育費にだって回せるのです。

いかに出稼ぎ労働者の雇用を守ることが重要か…彼らが失業し、家族への送金が止まれば、当然のことながら本国の家族、特に子どもたちの未来が危うくなるというわけです。そこで家族送金のための仕組みを整えたり、送金手数料の軽減を図るなどして、家族送金を守っていこうという取り組みが始まっています。

さて前置きが長くなりましたが、これは昨年(2020年)にサントメ・プリンシペ名義で発行された『家族送金の国際デー』切手です。ちょっと小さくて見えないかもしれませんがシートによっては枠外に新型コロナウイルスの絵らしきものも描かれています。というのもCOVID-19大流行の影響で出稼ぎ労働者どころか、その国の労働者ですら雇用が危うい状況となってしまっており、家族にとって命綱とも言える家族送金が今後減ることが危惧されているからです。なのでこれは新型コロナの切手でもあるのです。

これもまた切手代理発行エージェントによる切手なのです。エージェント切手も世界を知るのに役立つでしょ? 切手は貴重な学習教材にもなりえます。まあ各国に発行ポリシーがあるので外国の真似事をする必要はないですが、日本はもうちょっと国連活動に関する切手を増やしてもいいんじゃないかと思いますね。